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横井小楠からの伝言
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31 横井小楠(よこい しょうなん)1809〜1869
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幕末から明治維新の思想家。熊本藩士出身。
越前福井藩に招かれ、富国強兵策による藩政改革を指導、
また幕府の公武合体運動を推進。維新後、暗殺された。
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              注)■は偉人の言葉 ◇は筆者の解説とコメント


■ 長所は其(その)人の道心の全き所、
 短所は其人の心の雑なる所なり。


          *****


岡山へ荷物を運んで1ヶ月が経ちました。ずいぶん長い月日が流れたように
思います。

 荷物だけは岡山にありながらも、この身は大阪と岡山を4往復し、その合間
には熊野、滋賀、出雲などを周遊しながらの旅をしている状況です。

 ずいぶん多くの人たちとの出合いがあります。今のぼくに職業は?住所は?
と聞かれるたびに返事に困ります。ただ大きな流れに身を委せているとしかい
いようがない。

 そんな中で、最近感じたこと、体験したことをひとつご紹介しておきたいと
思います。それは、言葉というものの大切さです。「言霊」、これは「ことた
ま」と発音するのが正しいそうです。「ことだま」と発音すると「だ」が濁音
となり、濁りにつながります。

 今回、岡山の実家に帰ってきて、母と話すことが多くなりました。そして気
づいたのが、ずいぶんとマイナスの言葉を次から次へと浴びせかけてくるんで
すね、母が。それも容赦なく。身内には容赦がありません。物事のマイナス部
分を掴んでいくという習慣がついているんですね。テレビを見て、マスコミの
情報に触れて、普通一般の情報を耳にしていれば、当然のことです。

 ぼくは10年ほど前から、瞑想のようなものを続けています。はじめは岡田
式静坐法という腹式呼吸から始めて、いろいろな瞑想法をそのときどきで自分
なりにアレンジしてきています。今は「ありがとうございます」と唱えるのが
最善のプラスの言葉であり、瞑想時にも活用しています。

 毎朝、神棚の水を供え、約1時間くらい座っているのですが、それをときど
き母がのぞきに来ます。母からすれば、なにやらうさん臭いことをしている。
どこぞのわけの訳の分からないものに足をつっこんでいるんじゃないかと、ど
うも心配しているらしんですね。1度のぞきにきて、また30分ほどしてのぞ
いてみると、まだ座っている。ある日、「もう、あんた、何してるん」と投げ
捨てるように言った言葉が聞こえてきました。

 ぼくの方は無防備で無心でいますから、その言葉が槍のように突いてきまし
た。「ああ、マイナスの言葉というのは、こういうふうに身を突くんだなあ」
と初めて実感して、これからもっと心掛けてぼく自身がマイナスの言葉を使わ
ないようにしようと思いました。

 そうは思っていながらも、ある日、母にマイナスの言葉を吐いてしまったん
ですね。思わず吐いてしまった。身内だからいいじゃん、少しくらい。そう思
った。ところが、あとで意外な形で跳ね返ってきた。

 その翌日の7月28日、出雲へ行きました。出雲へ出かける朝、出発30分
ほど前、いつものように神棚の水を供えようと階段を上がっている時、不注意
でつまずいて右足の人さし指を軽く突き指しました。痛いと思いつつも大した
ことないだろうと、気にもとめませんでした。

 予定通り、出雲へ出発。しかし、出雲に突いた頃には痛くて歩けない。靴下
を脱ぐと指先が紫色に腫れ上がっています。まずいなあ、3日間の行程を無事
に過ごせるのかしらん。

 出雲大社やいくつか予定を廻るために痛い足を引きづりながらなんとか過ご
しました。そしてこの日は、出雲に在住のTさんの家に泊めてもらうことにな
りました。食事をごちそうになり、お風呂に入れていただき、夜中の2時半ま
で、これから未来に向けての話しに盛り上がりました。ぼくは時々、右足の人
さし指を触りますが、痛くて痛くて曲がらないし、足の裏も少し腫れているよ
う。

 ぼくは突き指のことをTさんと同行しているJさんに話し、いろいろとアドバ
イスを聞かせてもらっているうちに、暗示的なものを感じました。ふと、母の
マイナスの言葉に胸を刺されたことを話しました。そして、ぼく自身が母にマ
イナスの言葉を浴びせかけたことも。

 右足の人さし指(お母さん指)を突いた。もしかすると、ぼくが放ったマイ
ナスの言葉が母を突き、それが跳ね返って、足の人さし指を突くという現象を
持ってメッセージが届いたんじゃないかと。マイナスの言葉がいかに心を刺す
かを母に教えてもらい、分かっていながら今度はぼくが母をマイナスの言葉で
刺した。ああ、これが原因だったんだなあ。

 ぼくはすぐに反省して、「ごめんなさい」と母を思い出しながらお詫びの言
葉を吐きました。

 翌朝、目が覚めてまず気掛かりなのが足の指。今日は稲田神社をご奉仕で掃
除させていただくことになっています。痛い指をカットバンでグルグル巻きに
して、ごまかしながらこの日を過ごすことに決めていました。ああ、指の具合
はどんなんかな、と上下に動かしてみました。あれ?痛くないなあ。左足だっ
たかな、あれ、左足も痛くない。あれれ、おかしいなあと右足の指を見てみる
と確かに内出血しています。しかし、まったく痛くない。指も自由に曲がる。
たった5時間のうちに、ずいぶん重症だった突き指は完治していました。

 こんなことがあるんですね。ぼくも何度も突き指の経験はありますが、たっ
た数時間で完治したというのは初めてです。突き指をした原因に気づき、母へ
の詫びをしたからでしょうか。

 これからどんどん思いが形へと現実化するスピードが速くなってきていると
聞いていましたが、こんな形で体験させられると疑う余地がなくなります。マ
イナスの言葉が突き指という現象を起こし、気づきによって現象は短時間で消
え去ってしまった。今でも不思議だなあと思います。

 この日から、ぼくの中の何かが変わってしまいました。おだやかになった。
母に対しても、他人に対しても寛容になったように思います。ぼくはこの体験
で、甘えや気のゆるみがないようにプラスの言葉づかいに心掛けることの大切
さを教わりました。

 言葉は「諸刃の剣」、痛い思いをするのは自分自身です。今のぼくにはその
代償が瞬時に現れます。半年後とか、1年後とかならば、何が原因だったのか
知ることは難しいですが、瞬時に現れるとわかると、言葉というものの使い方
をしっかり気をつけようと思うわけですね。

 最後にひとつだけ、親のマイナスについてです。親のマイナスを見るたびに、
たいていは「こんな大人には絶対なりたくない、ならないようにしよう」と、
そう思います。いわゆる「反面教師」です。たいていは親を軽べつします。

 でも本当はそうじゃないんですね。親は子供にマイナスの思い(重い・重荷)
を背負わせたくない。そのためには親自身がそれを背負います、身替わりにな
る。自分が背負い、その姿を見せれば、子供はそのマイナスに気づいて、そん
な姿を真似しなくて済みます。

 親のそのマイナスの思いは、本当は自分が背負わなければならなかった思い。
それを親が身替わりになって背負ってくれて、反面教師を演じてくれています。
そのことに気づくだけでも、ずいぶん親への感謝の気持ちが湧いてきますね。

 

 

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