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山鹿素行からの伝言
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52 山鹿素行(やまが そこう)1622〜1658
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江戸前期の儒者、兵学者。古学の開祖。会津の人。
古学を提唱し、朱子学を批判した『聖教要録』によって赤穂に配流された。
また、山鹿流軍学の始祖。赤穂浪士の大石内蔵助らに多大の影響を与えた。
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              注)■は偉人の言葉 ※◇は筆者の解説とコメント


■ いはゆる我が知は自らそれ明なりそれ通ぜりと思ふとも、
 これを物に及ぼして、物安頓(あんとん)せざれば、
 則(すなわ)ちその知(ち)皆(みな)妄作(もうさく)なり。

※自分の知が明白で通じていると思っても、
 それを他に及ぼして物が落ちつかなかったり、
 すっきりしなかったりしていれば、
 その知は、ほんものでなく、
 真理にそむいた判断である。

          *****


◇真理にもいろいろあるが、最近のアニメには、とても深い真理を表現しているものがある宮崎駿のアニメ映画が好評なのも、やはりどこかに大きな気づきがあるからなのだと思う。

 気づきというのは、学ぶのもではなく、思い出すものである。ぼくたちはすでに何が真理なのかを直感的に知っている。忘れているだけで、ほんとうは何が真理なのかを、奥底のいのちが知っている。宮崎駿はちゃんとそこのところが分かっていて、それをアニメを使ってうまく表現しているなあと感心する。

 中でもぼくが特に好きなのが「千と千尋の神隠し」である。現代から神々の世界に迷い込むという設定も好きだし、いろいろなキャラクターの神様が出てくる。また千尋の気づきと前向きな姿に勇気がわくからだ。

 すでに10回以上見ていて、どこでどんなセリフを言うかをだいたい覚えている、と友人の奥さんに話したら、うちの息子がポケモンを何度も何度も見てセリフを覚えているのと一緒ね、と笑われた。

 先日、「ハウルの動く城」も観た。こちらもなかなかキャラクターが面 白くて、魔女の呪いで老婆になってしまったソフィーの前向きさにも感動した。いろいろな異次元に移行できる扉もまたユニークだった。

 宮崎駿の映画はどれも「前向き」「愛」をテーマに展開している。

 どの作品にしろ、作品になるということはその種がどこかにある。それは宮崎駿の中にあるのかというと、そうではなく、もっと大きな視点でみると、すでに宇宙のどこかにそういう世界がほんとうにあるのだと、ぼくはそう思う。

 宇宙のどこかにある、ということは、自分という小宇宙の中にもまったく同じものが存在している。ぼくが特に「千と千尋の神隠し」に共感するのは、登場するすべてのキャラクターとまったく同じものがぼくの中にいるからだ。

 ぼくの中にもまったく同じ世界があり、千尋を演じることもあれば、湯バーバを演じることもある。登場するすべてのキャラクターとまったく同じものがぼくの中に、確かにある。

 この映画の中には多くの真理が組み込まれている。パンフレットにこんなコメントがあった。「言葉は力である。千尋の迷い込んだ世界では、言葉を発することはとり返しのつかない重さをもっている」。

 油屋に迷い込んだ千尋は湯バーバに「ここで働かせてください」と言う。千尋が少しでも「いやだ」「帰りたい」というものなら、一瞬にして消滅するか、ニワトリになって食われるまで卵をうみ続ける。「ここで働く」という宣言があるかぎり、魔女といえども無視はできない、というもの。

 これは千尋の迷い込んだ世界のことではなく、ぼくたちの迷い込んでいる今の時代もまた、言葉を発することは取り返しのつかない重さをもっている。

 ぼくはこの真理を知ってから、言葉を発することにとても意識を集中するようになった。言葉どおりに未来が用意されていると知ったからである。どんな言葉でも、それを自分の中に取り入れたとき、体験が流れ込んでくる。

 これは逆から考えれば、どんな未来を選ぶのも自由だということだ。今を選んだのは、自分であり、未来を選ぶのも、また自分である。

 

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