国木田独歩からの伝言
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16 国木田独歩(くにきだ どっぽ)1871〜1908
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小説家、詩人。名は哲夫。千葉県生まれ。 明治39年の短編集「運命」は
自然主義文学の先駆として世評を高くした。 著「牛肉と馬鈴薯」「武蔵野」
「酒中日記」など。
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注)■は偉人の言葉 ◇は筆者の解説とコメント
■ 実行せざる思付(おもいつ)きは空想と称し、又た妄想と称す。
若(も)し空想妄想の中に生活して自ら知らずんば、意外の失望
苦痛を来たさん。故(ゆえ)に能(よ)く「実行」と「思付」と
の境界を立て置き、時々点検す可(べ)し。
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◇今日は日本一、世界一になる方法を公開しようと思う。とても簡単なことだ
から、ぜひとも試していただきたい。
皆さんは、これなら誰にも負けない、誇れるといった特技があるであろうか。
もしくは努力すれば何とか物になりそうなもの。もしそれがあれば話は早い。
顔や個性が違うように、すべての人にその人にしかできない何かが与えられ
ている。ただ気づいていないだけ。早く知った人に人生の勝利者への道が開か
れる。ただし、磨き上げる作業を怠らなかった人に限り、という条件つきであ
る。もしこれに成功しえたなら、笑いの止まらない人生が待っている。
まず、ひとつこれと決めたなら、後の可能性をあきらめることである。あれ
もこれもと逃げ道を用意しないこと。背水の陣を布くことである。英語では、
“Burn your bridge behind you”と言うそうである。訳せば「なんじの背後
の橋を焼き落とせ」となる。
背後の橋がなくなれば、引き返すことはできない。ただ残された道を進むほ
かにない。「進むほかにない」―これほど強い味方があるだろうか。一歩でも
進めば一歩である。地道な一歩も積み重ねれば千歩となり万歩となる。
昨日より今日、今日より明日と、目には見えないほどの成長でも積み重ねる。
果たして昨日の自分とくらべて、今日の自分はほんの少しでも成長し得たと言
えるだろうか。このほんの少しずつの積み重ねを30年、40年続けたならば、
間違いなく一家をなしているはずである。
過去の背水の陣の度合い、決意が、今の自分の現状を作り上げていることを、
目を閉じ、胸に手を当ててよくよく自覚することが大切だと思う。
私たちが大きな成果を上げられないのは、可能性をころころと変えるからで
ある。得てして才能豊かで器用な人ほど可能性が高い。高いがゆえに欲が出る。
そしてあれもこれもと手を拡げてしまうものだから、ついには薄いカルピスの
ように味気ない人生になってしまう。
それに比べ、才能に乏しく不器用な人は幸いである。わが身をわきまえ、亀
のようにのろまな人生であるがゆえに、足下に咲く一輪の花にも感動を得られ
る。他人に知り得ない創意工夫を繰り返し、いつしかキラリと光る人格が出来
上がってくる。5年、10年はおおいに遅れをとったように見えるが、長い年
月を経たときにキラキラ輝く星のような存在になっていく。
このスピード時代に、私たちは「待つ」ということを忘れてしまった。成長
の早い生物ほど短命である。私たちが今、一番必要なことは「待つ」というこ
とと「積み重ねる」ということである。
まずわが道を確定する。そして背後の橋を焼き落とす。そしてただただ進む。
一歩一歩進む。30年、40年かけて進む。ゴールを待ちながら進む。
「どんな小さなことでも良い。一生続け得たならば、必ず世界一になれるで
あろう」
この言葉を信じ得ることができる人は幸せである。ナンバーワンにはなれな
くても、オンリーワンの人生が待っている。
誰にもオンリーワン、世界一になれる素質を与えられているのである。顔や
個性が違うこと、このことがすでにオンリーワンであることを自覚しておきた
い。
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