平澤 興からの伝言
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平澤 興(ひらさわ こう) 1900〜1989
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新潟県に生まれる。京都大学医学部卒業後、新潟医科大学助教授などを経て、
その後、新潟医科大学教授、京都大学教授、教養部長、
医学部長を歴任し、京都大学総長。
日本学士院賞(錐体外路系の研究)。
日本学士院会員、国際ロータリー365地区ガバナー。
勲一等瑞宝章受賞。新学社総裁。関西師友協会顧問。
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注)■は偉人の言葉 ◇は筆者の解説とコメント
■ 人生に望ましいのは失敗や困難がないということではなく、
決してそれに敗けない、ということである。
凸凹(でこぼこ)のある人生がかえって味があるとは、
また面白いものである。
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◇今年の春に、親友の川人正臣さんから本の編集を頼まれました。
題名は『豊田良平先生に学ぶ―仕事と人生』。
サブタイトルには、
「何をぼやぼやしてるんだ。
目的もなしにやっていると、すぐに歳をとっていくよ。
四十になってからでは、遅いんです!」
というコメントを使いました。何とも強烈ですね。
ようやく夏には出来上がり、自費出版ながら、
すでに数千冊が出回っています。
皆さんからはたいへん好評で、編集させていただいた私も、
やりがいがあったというもので、とても感謝しています。
この本は、本メルマガでも紹介している安岡正篤先生の、
教学を普及している関西師友協会という団体の青年部が主催する、
「立志照隅会」講師/本会副会長・豊田良平先生(元コスモ証券副社長)
の講義録であり、川人さんご自身の解説を交えた元気の出る良書です。
私もこの会に長らく参加していたので、川人さんとは同門です。
序文を、本会会長である新井正明先生(住友生命名誉会長)に
いただいたのですが、その中でこんな言葉が寄せられています。
「この本は、豊田さんが師事された安岡正篤先生の人物学の精髄と、
私淑された平澤 興先生の豊かな人生観を、
豊田さんの多年にわたる実業界での実体験を踏まえて話されたものです。
したがって、どの項目も具体的かつ実践的であり、
一語一語、読む人に深い感動と勇気を与えてくれるものであります」
ここに、本号でご紹介する平澤 興先生の名が出ていますが、
まさに平澤先生は突出した超一流の人物であると思います。
一流の人に共通するのが、まずシンプルであり、話が簡明、
明るい、素直、風格があるなど、一言ではいいつくせませんが、
とにかく「懐かしい人」という感じです。
残念ながら、私は一度もお会いすることができませんでした。
12年前に、ある祝賀会でお会いできるはずだったのですが、
その日の朝、89歳で他界されました。
その後、
平澤先生に長らく師事されエキスを存分に吸収された
豊田良平先生に学ぶ機会を得て、
その風韻を以心伝心していただく機会を与えていただきました。
私の中では、平澤興先生の魂に触れたも同然です。
本当にありがたいご縁だと思っています。
お裾分けとして『豊田良平先生に学ぶ―仕事と人生』の中から、
いくつかご紹介したいと思い、著者の川人さんに転載をお願いしたら、
こころよくご承諾いただきました。
豊田先生の言葉は、そのまま平澤先生の言葉であると言っていいほど、
その味わいが似ていますので、皆様にも伝わり、また、
平澤先生のお人柄も多少なりとも感じていただけると思います。
■「第1章 仕事」より
以後、◇は豊田先生の語録。●は筆者(柴田)のコメント。
◇たえず心にわが理想像、ターゲットを持つことです。
それは1カ月の目標、1年の目標であり、人生の目標です。
そして今日は何をしようという1日の目標がないといけない。
毎日、理想があるとイキイキします。
目標がないと人生はその日暮らしとなり進歩しません。何もできませんよ。
◇経験すると誰でもできるようになる。苦労とは体験なんです。
できないのは、未体験で経験がないからです。
処理能力がないだけなんです。
処理能力がないから苦労だと思うのであって、
仕事ができたら苦労とは思わない。
頭だけで考えていては駄目。苦労し体験すれば必ずできるようになります。
◇人に安らかさを与える人になっていますか。
人から安心される人になっていますか。
「あの人は安心できる。あの人は信頼できる。
あの人の言うことを聞いていれば間違いない」
そういう安心できるリーダーになりなさい。
◇「何とかならないか」では何ともなりません。
自分から仕掛けていかないと、何ともなりません。
「そのうちやろう」じゃいかんよ。今からやらねば。
◇結局「信頼と実行」なんです。
やはり人物になるためには実行しなければなりません。
いくら研修をしても勉強をしても実行しなければ意味がありません。
世の中、いい人はたくさんいるが、実行できる人は少ないものです。
●本書中に、川人さんもコメントされていることなのですが、
豊田先生はお会いするたびに、
「君のターゲットは何なんだ」と突然聞かれるんですね。
初めての人は驚いて何も答えられません。
よほど明確なビジョンを描いていないと、即答は難しいです。
しかし、今考えてみると「自分のターゲットはなんなのか」、
これは直結して自分はなぜ生きているのか、人生って何なんだろう、
こうした人間が生きるということ、
人生の意義を問われている問いのようにも思います。
もっと意識を明瞭にして人生を歩みなさいよ、
と言っているようにも感じます。
こうして豊田先生に学ぶようになった私たち同士は、
いつも自分のターゲットを明確し、
人の前で堂々とターゲットを話せるように、
いつも意識するようになっています。
読者の皆さん「あなたのターゲットは何ですか?」。
■「第2章 人生」より
◇苦労することを喜びなさいよ。本物になるチャンスなんだから。
そう考えると苦労なんて、大したことはない。
逆境というものは、自分を練る最もいいチャンスなんです。
◇できないのは、できるまでやらないから、できないんです。
◇秀才が3回読まないと覚えられないものなら、
僕は10回読んで覚える。
そうして、何度も読んで骨にしみ込ませてきたんです。
秀才が10回読むときは、僕は20回読んできた。
◇物は人に与えたら減りますが、喜びは人に与えるほど大きくなり、
自分に返ってきます。喜びを与えて損をすることはありません。
人に喜びを与えることは人を活かすことなんです。
◇若いとき苦労したことは、年をとってからすべて良かったと思える。
「苦労や艱難は、いまだ事を為さざる人の良薬なり」、
苦労や艱難は、いまだ経験していない人の良薬です。
●世の中には難しい問題に出会ったときに、
それを解決するための方法を積極的に探す人と、
いま一つは、一所懸命にできない理由を探す人がいます。
できない理由を探す人は、言い訳の名人です。
言い訳の名人となってしまっては、進歩も向上も得られず、
人からも信用されなくなってしまいます。
川人さんは、エジソンの面白い逸話を紹介しています。
「エジソンは成功の秘訣を次のように述べた。
成功の秘訣は集中力だ。途切れもせず1つの問題に、
肉体的、精神的エネルギーを集中させることだ。
朝7時に起きて夜11時に寝れば、
起きている時間はたっぷり16時間あるわけだが、
ほとんどの人は多岐にわたっている。」
「1パーセントのインスピレーションと99パーセントの努力。
しかし、1パーセントのインスピレーションがなければ、
99パーセントの努力は無駄になる」
■「第3章 家庭」より
◇子供は親の言うとおりしないが、親のするとおりにするんです。
親が毎日ごろごろしておって、子供に向かって何を言っても駄目です。
朝起きて、寝るまでいつも頑張らないと。子供はよく見ています。
◇子供との関係がうまくいかないようであれば、
部下との関係がうまくいくはずがありません。
子供も部下も人間関係は皆同じなんです。
◇「親子名コンビ」が先じゃなくて、「夫婦名コンビ」が先なんです。
自分の奥さんから信頼されずに偉そうなことを言ってもはじまらない。
そんなことでは会社も国も治まらんよ。
◇年をとると何もせんようになる。
そのうえ、上げ膳、据え膳になることが多いが、
「1日為さずは1日食らわず」です。何もしないとぼけてくる。
両親を大事にしたければ、仕事をしてもらうことです。
●川人さんのコメントがとてもいいです。
「親は子供から尊敬されて、はじめて良い親子関係ができます。
会社では経営者と社員、上司と部下も関係も同じです。
子育ても会社経営も、自分自身の人格を高めない限り、
子供や部下から尊敬され、信頼されるものではありません」
■「第4章 人間関係」より
◇信頼されれば、人から邪魔されることはありません。
◇信頼は連絡です。連絡が信頼なんです。連絡が血の流れをつくるんです。
◇まじめだけでは駄目で、人間どこか抜けたところがないと
人が集まってきません。
やり手や切れ者と言われるより、信頼されなければいけません。
◇感謝の気持ちは、こちらから素直に素早く伝える。
もって歩いては駄目です。機を逸することなかれ。
●田中真紀子外務大臣に聞かせて上げたい言葉ですね。
■「第5章 感謝」より
◇宇宙のエネルギーと直結しているということがわかる時間を
持たなければなりません。
自分が生かされていることを感じることが必要なんです。
◇宇宙の大生命と自分とは一つなんです。
例えば、夜中の真っ暗な中で呼吸する。
呼吸することによって宇宙と通じていると感じる。万物一体となるんです。
◇ハチマキ姿で目をいからして努力することなどは、大したことはない。
そうではなくて、ニコニコしながら命をかける。
悲壮感からの「命がけ」ではまだまだです。
◇喜ぶ人は喜ぶ顔に、哀しむ人は哀しむ顔になります。
◇顔つきが変わるまで体験を積むことです。
●豊田先生の精髄は「にこにこ顔で命がけ」。まさに名言です。
川人さんはこれを、このように説明しておられます。
「得てして、必死に努力はするものの、
あまりにも真面目すぎて悲壮感が漂うような頑張りになりがちです。
これは心にゆとりがないからです。
行動には命をかけるくらいの気迫でやっていても、
いつも心に喜びをたたえて、
元気でさわやかに明るく接する気持ちを忘れないことが大切です」
■「第6章 自己啓発」より
◇何がよいとか何が悪いとか考える前に、
活力・気迫がなければ何もなれません。
活力・気迫がなければ善も悪もない。
◇人間はハングリーな程よろしい。
◇信頼されるようになるためには、まず自分自身を信頼しなさい。
自分自身を信じられない人が、他人から信じられるはずがないでしょう。
◇平澤興先生は「自分を拝む」と言われた。
松下幸之助さんは「自分の頭をなでてやりたい」と言われた。
◇誰でも皆、生まれつき140億の脳細胞をもっています。
僕は頭が悪いからと自慢する人もいるが、それは頭が悪いんじゃなくて、
努力が足らんだけなんです。
頭が悪いという自慢はコンプレックスなんだよ。
●豊田先生は毎回毎回、お会いするたびに、
念仏のようにこんなプラス思考の言葉で励ましてくれます。
「君たちは素晴らしい能力を持っている」
「自分を限ってはいけないよ」
「努力は天才に勝る」
そして私たちは本当にその気になってしまうんですね。
言葉の力というのはすごいと思います。
■「第7章 生活」より
◇お金は使わなければ駄目です。
吐くことは与えることで吐くことがあって吸うことができる。
つまり与えられることがあるのです。
人に物を与えて損をするということはない。
◇朝早く起きて、自分自身がもう一人の自分に静かに話しかける。
自己との対話とは大事なことなんです。
精神的にも安定し、心に余裕ができます。
◇「この世の中、面白いじゃないか」と常にプラスに考える習慣をつけたい。
ぼやく人には絶対に運は巡ってきませんよ。感謝する人間は運が拓ける。
●最後に川人さんの言葉でしめたいと思います。
「世の中、苦しいことや煩わしいことが多いものです。
人生を苦ととらえると、消極的になりがちです。
日本人はとかく耐えることへの美学を重んじますが、
逆に、何事もターゲットをもって積極的に実践すれば、
宇宙や大自然と一体になれるのです。
こちらの心の態度に応じてこたえてくれるということです。
要するにすべては自分自身の心の中にある。
自分自身の積極的な心がまえ次第だということです。
「天は自ら助くるものを助く」というとおりです。
明確なターゲットと積極的な心がまえがあれば、
自然と前向きな発想に変わります。
人を喜ばすような言葉で話し、人を喜ばせるような行動をとり、
明るい話、明るい態度、楽しむ心、プラス思考で、
苦しみを楽しみへと変えていきたいものです。
今回は、語録を紹介しました。
いかがだったでしょうか?
私は読み返すたびにふつふつと心の底から勇気が湧いてきます。
本書のほんの一部だけしかご紹介できませんでしたが、
その蘊蓄を味わっていただけたと思います。
著者の川人さんに問い合わせたところ、まだ幾分か在庫があるそうですので、
もしご希望の方は、川人さんに直接メールで申し込んでください。
本の装丁、目次をご覧になりたい方は、
http://www.humanforest.com/massage/massage.html
■書名 『豊田良平先生に学ぶ - 仕事と人生』
■発行 致知出版社
■編者・著者 川人正臣
■頒価 1200円(送料別・振込料はご負担ください)
mailto:kawahito@skyblue.ocn.ne.jp
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